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2016/07/12

うちの畑がIT化しましたw はてなブックマークに追加

Takehito Tanabeさん(@dateofrock)が投稿した写真 -

昨年、さっぽろ農学校での研修を4月から11月まで受けましたが、今年はその成果を生かすべく、ある程度まとまった畑を確保できないか、雪解け頃からいろいろと奔走しておりました。しかし現実はなかなか厳しく、今年は無理かな・・と半分諦めかけていた所、大変良いご縁をいただきまして、札幌市南区某所に5a(500平米)程度の場所を確保することができました。(その節は大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。)

この広さを機械無しでやっています。さすがに耕起はやってもらいましたが、畝立てからマルチング、そしてこの時期では除草を手でやっています。はじめから機械を使わないで、まずは非効率でも良いから全て手でやってみて、どんな感じになるかを体感しています。・・ちなみに十分体感したので、もうそろそろいいかな?と思っております(笑)


5aの広さなんて、プロの農家から見れば極小ですけども、一般的な家庭菜園の10倍の大きさですので、半農半ITとしては十分すぎるくらい広大です(苦笑)そこで実際にやってみて真っ先に感じたことが

「毎日、ちょっとでも良いから現場を見たい」

ということでした。小さい菜園であれば、多少放置して雑草が増えたってそれほど大変にはなりませんし、生育が悪かったり、病害虫の影響で作物がやられたとしても、被害の規模としては小さいですから、まぁ、非常に残念ではありますが、諦められる範囲ではあります。

しかし、これだけの規模があると、草の状況を見て早めに対処しないと労力が何倍にもなりますし、病害虫などの被害も作物の量が多いと、その分打撃も大きくなります。


やはり「状況をみて素早く行動する」ことが大事で、そのためにもすぐに現場の状況を見ることが重要だな、ということを痛感しました。特に自分の場合だと本業との兼ね合いもありますから、畑に振り回されないためにも重要なポイントです。


IoTなんて簡単に言いますが・・

自分もこういう仕事をしているもので、みんなに「カメラつけてないのですか?」とよく聞かれます。でも、畑のような屋外で、電源もない所でその手のものを設置するのは、そう簡単ではありません。 室内の環境下でRaspberryPiにUSBカメラとセンサーをつなげて、それらをクラウドにアップして監視する、といったようなことはやってみましたが、これはとても簡単なことでした。 (ちなみにこの発表スライドでは時間切れでシステムやクラウドの話までたどり着いていないww)

しかし、農業の現場で使えるものとなると、やはり雨や風、強烈な日差しなど、厳しい自然環境に晒しても十分動作する機器であることが重要で、さらにそれらをきちんと運用し続けられるのか?ということがポイントになってきます。そして、それは簡単な世界ではありません。


札幌のエコモットさん!

実は、札幌には、今のIoTブームを先取りしたような会社さんがあります。その名もエコモット株式会社。 IoTという名前がない時代から取り組まれており、現場のことを知り尽くした先駆者です。この「事例紹介」を見ると、どんなことに取り組まれているのかがよくわかります。

ちなみに代表の入澤さんは、北海道の楽しい100人にもご登壇されています。

また、北海道のIT企業を紹介するメディアのキタゴエさんにも取材記事がありますね。

自分はこちらの会社さんには何度かお邪魔したことがあり、事例を伺ったり、カメラの現物を見せていただいたり、個人的にもいろいろとお世話になっている会社さんです。毎回中の人といろいろとお話させていただくにつけ、現場というのは過酷だし、想定外のことはたくさん起きるし、本当にこの部分のノウハウは一朝一夕では得られず、すごいものだな・・と関心しきりでした。

そんなご縁がありまして、タナベの悩み(?)を聞いていただき、なんと今回ウチの畑にカメラと気温、湿度、地温センサーを設置していただくことになりました!そのカメラの写真がInstagramに投稿したものです。


現場ロイド

今回設置いただいたのは、「現場ロイド」というソリューションです。

工事現場でよく使われているようですが、これはそのまま農業にも使えるものです。低電力通信モジュール、ソーラーバッテリーがありますので、携帯の電波があって、日当たりの良いところであれば「完全ワイヤレス」な環境で稼働させることができます。農業的に言うと日当たりはまず間違いなく問題ありませんから、携帯の電波が入るかどうか?が問題になりますね。この畑は札幌市内で「圏内」ですので問題はありませんが、北海道の規模で考えた場合、この電波が一番のネックになります。

しかし、そのあたりはソラコムさんが解決してくれるはずです。(明日のイベントに注目しましょう!)

実際の様子

これが設置した様子です。このように、単管パイプでがっちり足場を作り、ソーラーパネルも4枚つけています。ここまでやれば、台風が来ても問題ない強度です。鹿もかじらないでしょうし(笑)

じつはこの畑、20cmくらいのところに結構な耕盤層があるので、クイがなかなか入らず苦労されていました。設置していただいたエコモットのスタッフの方々、暑い中の作業、本当にありがとうございました!!




そして、これが実際にWeb画面からモニターしている状況です。 このようにWebからカメラの遠隔制御が可能です。


映像は履歴として残されているので、このような一覧で確認することができます。そのうち何かの動物が映るかもしれませんねw ちなみに、電圧の状況もここでわかるようになっています。これも安心。


温度、湿度、地温も履歴が保存されています。データはCSVでダウンロードできるので、お手元のエクセルなどで開くことも可能ですね。

画面上でもこのようにグラフで見ることができます。まだ設置したばかりなので、サンプルが少なくてグラフっぽくないですがw



というわけで、しばらく使ってみて、使用感などを蓄積していきたいと思います。




ちなみに、このソリューションに興味がある!などという方がいらっしゃれば、私に直接でも良いですし、このブログ記事にコメントくださいね。エコモットさんにつなぎますので!(勝手に営業ww)


2016/07/01

農業情報設計社のCTOとしてジョインします はてなブックマークに追加



本日付を持って、株式会社 農業情報設計社の取締役 CTOとしてジョインすることをご報告させていただきます。

経緯

私は、2014年9月に、株式会社ファームノートの事業立ち上げフェーズにて、念願の農業とITをくっつける仕事を手掛けたいという思いから、長年勤めていた会社を退職し、ジョインしました。ここでの経験は何者にも代えがたく、とてもエキサイティングなものでしたが、反面、自分自身のあまりの現場に知らなさに、本当にこのままでいいのか?という疑問をもつ機会にもなりました。そのあたりのことは、先日のエフスタ‼︎ HOKKAIDOでお話しした通りです。

そこで、農業の現場を知るためにも、農業研修を受けて勉強し、今年の5月には念願の農場を札幌市南区の某所に開設することができました。本当の「半農半IT」を実現すべく、日夜、自分でもバカなんじゃないかと思うくらい、畑仕事とITの仕事のダブルワークをやりつつ、音楽活動や、住んでいる地元の町内会の役員の仕事を請け負ったり、本当にいろいろなことをやってきたつもりです。正直、もう無理だ、と思うことも、一度や二度ではありませんし、むしろ、ほぼ毎日無理だと思っていた感じでしたが(笑)それでも家族の応援もあって、なんとかここまでやって来れました。

そんな状況の中、ファームノートと同じ帯広市にある農業情報設計社の創業者、濱田氏と知り合う機会があり、この会社の取り組む事業に対して、その将来のポテンシャルの高さと、農業に向き合う姿勢に対して非常に多くの共感を覚え、長い検討の結果、今現在の個人事業主は続けつつも、取締役 CTOとして中の人になることにしました。


なぜジョインするのか?
農業情報設計社とは、 ビジネスエキスポという、札幌で年一回行われるイベントで出会ったのがきっかけでした。そのイベントではベンチャーやスタートアップだけが集まっている部屋があり、知り合いの会社さんが多数いるということで、挨拶がてらそこに入ったのがきっかけです。 たまたま挨拶した会社さんの向かい側が、トラクターのラジコンカーが置いてあった農業情報設計社のブースでした。そして、その場で見せてもらたAgriBus-NAVIというトラクターのGPSアプリのデモを見せてもらい、創業者の濱田氏と色々話をしつつ、こりゃすごい!と思ったものでした。でも、その時は私自身も多忙だったこともあり、それでおしまいでしたが、自分の中では帯広にすごいアプリを作っている会社があるのだなぁ・・・という強い印象が残りました。


その後すごかったのが、この会社がスタートアップの各種イベントで最優秀賞を総なめしていったことです。

特に、新経済サミットのピッチイベントの時は、自分は会場にいてリアルで見ていました。すでに実績が相当あったり、プレゼンが異様にうまかったりする会社ばかりで(しかもプレゼンは英語)全体的にかなりレベルが高いのにもかかわらず、あっさり(?)と優勝してしまったことは大変驚きましたし、農業ITに期待されている部分は大きいのかな?という実感を抱きました。

その後、色々ありつつも、濱田氏と何度も議論を重ねながら、最終的には中からがっつりコミットすることが最良の道であろう、ということで、このようなことになりました。

これからやること
自分の役目としては、主にバックエンドの設計構築と、チーム作りということになります。どちらもかなり大きなチャレンジです。
  • グローバルなインフラストラクチャを作ります。
    • 現在配布しているAgriBus-NAVIというアプリは、ブラジル、スペイン、ロシアといったような「海外」のお客様が圧倒的多数になります。そうなってくると、必然的に世界各国にリージョンを持つAWSを利用することが自然です。そして、そのようなマルチリージョンなシステムを初めから作ることは、エンジニアとしても大変に挑戦しがいのある仕事だと思っています。自分が今まで長い間培ってきた技術と経験を思いっきり活かしていくつもりです。
  • はじめからリモート前提の組織を作ります。
    • すでに拠点が帯広と札幌になっていますが、今日に至るまで、代表と密なコミニュケーションを取りながら、リモート前提の組織を作ることについて何度も話し合ってきました。これに関しても、とても大きなチャレンジですが、そもそも「Go Global」で行きたいのであれば、拠点が散らばるのはむしろ自然です。我々では「逆リモートワーク」と呼んでいるのですが、都会にいながら地方の仕事をするスタイルも良いのでは?と考えています。自分はリモートワーク歴が長いですし、個人事業主になっても相変わらずリモートで仕事を回していました。その点でも経験を活かすことができると考えています。また、ソニックガーデンさんのように、すでにリモートチームで実績を上げている会社さんも自分の周りに沢山いますので、偉大な先達たちの教えを請いつつ、そのような組織を丁寧に作っていきたいと考えています。


農業者に寄り添うツールを作っていきたい
自分自身は、とても小さな農業者です。現場のことを知りたくて昨年研修を受けたわけですが、たかだか半年受けただけでわかるはずもなく、今でも毎日が研修です。エンジニアリングは現場から生まれるのがベストだと思うので、農業に片足を突っ込みつつも、農業者の方々に本当に役にたつツールを作って行けるように、精一杯頑張っていきたいと思います。