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2010/01/19

中小企業こそクラウドコンピューティングの波に乗れ はてなブックマークに追加

ここ一年くらい、お仕事でクラウドを使っています。
クラウドと言う言葉は昨年あたりからよく聞く言葉ですが、2010年の今年は普及期に入り、もっと一般的になって行くんじゃないかな?と思っています。
人によってクラウドの定義がまちまちなのでちょっとアレですが、この記事で書きたいのはAmazon EC2を導入した体験談です。

きっかけはある事件だった

自分が働いている会社は中小の印刷会社です。Web系の開発も細々とやっています。2008年頃までは、ごく普通にデータセンターを借りて、サーバを自前で用意していました。

しかし、事件は起きます。昨年、2009年の正月明け早々、あるサイトが突発的にアクセス数が跳ね上がり、にっちもさっちも行かなくなってしまったのです。このサイトは、ブログを製本するサービスで、大量のPDFを作ります。このサービスはサーバ負荷が比較的高いもので、大量の写真を貼っているブログを処理するときなどは、100MBのPDFを生成する事なんてざらだったりします。

アクセス数が増加した訳は、大手のブログが期間限定でバナーを張ってくれたからです。それって本来であれば大喜びすべき事ですけど、新規ユーザーさんが殺到してしまった結果、PDFの生成が追いつかなくなり、結果として門前払いをしなければならなくなりました。B2Cのサービスであればありがちな話かもしれませんけど、あの時の無力感と言ったらなかったです。なにせ、手をこまねいて見ているしか無いのですから・・。

一連の騒動が少し落ち着いた頃(新規ユーザーさんが見切りをつけた頃?)、ソフトウェアでもっと工夫は出来ないものか、色々検討してチューニングも施しました。でも、突発的な要求増加にはどうやったってソフトウェアだけでは限界があります。さらに、ブログの画像を外部から収集するという、どうにもならないボトルネックがある以上、マシンを並列に増やす意外に方法は無い、という結論になりました。(っていうか、最初から結論は解っていた・・)

じゃぁ、買うか?という事にもなりますが、いくらハードウェアが安くなったとはいえ、そう簡単に買えるものではありませんし、中小企業にとっては、サーバ一台買うのも大変な事です。さらに、マシンが増えるとなると、ラックを改めて借りるのか?とか、台数が増える=故障も増えるなので、人的リソースの面から運用面でやって行けそうにありませんでした。レンタルする、という方法も当然あります。実際に見積もりを出したりもしました。でも、意外にコストがかかりますし、そもそも普段暇なのに、突発的なアクセス増加のためにサーバを無駄にプールしとく事なんて出来ません。

他人の無責任な発言に事態が急展開する
そうして悶々と日々を過ごしているうちに、ある人から
クラウドあるんじゃね?
と言われ、ハッとしました。

悶々と凝り固まっている時こそ、他人の無責任な(?)発言は重要です(笑)一気に事態は急展開しました。


幸い、サーバの基本的な部分はJavaEEで構成されていたので、EC2に乗せる事は簡単です。一部画像処理にMac OSXのAPIを叩いていた部分を変更しただけで、基本的には動きました。あとはEC2の独特のクセを学習して、ストレージはS3と組み合わせるように一部プログラムを修正するのにひと月くらい、テストに半月くらい、そこから徐々に移行をやり始めて、完全に移行が完了するまで3ヶ月ほどでした。

その間、初期費用はゼロ。処理能力は数倍。月額の費用はデータセンターに支払っている額より少ないという「ホントに良いの?」状態でした。

もちろん、良い事ばかりじゃありません。その辺は追々書いて行きます。でも、新規サービスを開発しても運用出来ないというジレンマは、クラウドですっかり解消してしまいました。

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