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2014/01/08

リモート勤務に付加価値を付ける〜「起業家のように企業で働く」を読んで はてなブックマークに追加

年末年始の読書課題(笑)として、こちらの本を読んでおりました。

起業家のように企業で働く
小杉 俊哉
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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自分自身、東京の会社に勤めながら札幌で一人リモート勤務をしていますが、すでに2年が経過し、少しずつ考え方が変わってきた様な気がしています。その辺を少し整理したくて、この本を手に取りました。


リモート勤務に付加価値を付けたい
仕事は東京のメンバーと一緒にやっておりますが、支店がある訳でもない札幌で仕事をしている事に、もう少し付加価値を付けられないかという考えが湧いてきました。まぁ、端的に言うと「営業」ですね(笑)

私自身、職業はWeb系のエンジニアであり、本業の印刷に直接関連する仕事は殆どやっておりません。ただ、印刷に関する知識は少々ありますし(昔DTPエキスパートなんて持っていましたw)プリプレスの現場は経験しているので概ね解ります。本格的な見積もりなどは本社の営業がやってくれますので、要はお客さんの話を直に聞いて、ざっくり感触を掴み、それを本社に投げる、という役割です。
そもそも紙への印刷は自分自身の本業じゃないので、ある程度お客さん目線で見る事が出来ます。ですので、コスト的に厳しければ、昨今はネットを使った印刷通販がたくさんありますので、はっきりそちらをオススメする事もあります。これは客観的に見てもその方が良い場合もあるからです。結局価格競争だけをやっても消耗するだけですからね・・。


企業はプラットフォームだ
おかげさまで最近ようやく「あいつは印刷屋だ」という認識が広まりましたので(笑)お声掛け頂く事が少しずつ増えてまいりました。東京時代には殆どなかったことですが、札幌に来てから「付加価値」について考えるようになり、それなりに振る舞ってきた結果なのかなぁ、と思います。もちろん、本当の営業さんのようには立ち振る舞えませんが、常にPCのにらめっこして一日を過ごすよりはよっぽど健康的ですし、印刷会社所属のエンジニアだからこそ出来ることだと思います。まさに企業を自分のために利用して、でもそれが結果的に企業のためになる(なるといいですね(笑))、という事でしょうか。

ただ・・こういう事が出来るようになってきたのも、おそらくこの本に書いてあった事を知らず知らずのうちに実践していたからかなぁ・・という事に気がつきました。目次から拾ってみると・・
言われた事をやるだけで終わらない〜人と同じこと、今までと同じことをやっていたら、要らない人材になってしまう(25ページ)
これは自分の性格になものかもしれませんが・・言われたことは従いたくない的なww まぁ、冗談はさておき、弊社の場合はそもそも受託仕事が殆どないので、サービスを考える所から始まります。ですから、トップダウンで来るお題は「新サービスを作れ」であって「○×システムを作れ」ではありません。だから自然とそういう考えになって行ったのかなぁ・・と思います。良いのか悪いのかよく解りませんけどw
社内外のネットワークを作る〜社内外のリソースを上手く活用(104ページ)
昔は「印刷屋のdeveloper日記」というブログを書いておりました。このブログで技術的なことをちょこちょこ書いていたのがキッカケで、とある勉強会に誘われ常連になったのが「業界外」の人達と会うキッカケになりました。そもそもIT業界に居ないのにも関わらず、IT系のイベントや勉強会に参加して、たまに発表する度に「アウェイな感じ」をもっておりましたけど、それも最初のうちだけでしばらくすると慣れました。SI屋さん、インフラ屋さん、Web屋さん・・様々な「異業種」の人達の話を聞いて行くうちに、自分の立ち位置と取組んでいる仕事について考えざるを得ませんでした。また、とんでもなくレベルの高い会話もあれば、その程度なのか(失礼しました!)というものもあり・・要は外に出ないと解らないことがたくさんあるし、むしろ外に出て行くことで得られたものを社内にフィードバックしていく事でより自分のためになる、という事だと思います。
難易度の高い仕事を引き受ける〜リスクを取る(129ページ)
これこそ企業に属しているから出来る事だと思います。例えば新規システムを作る時、社内の開発体制を提案して自ら整えて使ってもらうとか、全く新しいフレームワークを導入するとか、クラウドにシステムを全部移行させちゃうとか・・。こういうことは当然大変な事ですし、基本的に「未知の世界」なので、失敗する可能性も大きいです。しかし、仮に失敗したとしても対外的にはそれは会社の失敗であり、せいぜい怒られて自分の評価が下がるだけです。そこを恐れるよりも、トライする事で自分の糧になる方がよっぽど大きいものになると思います。もちろん、そう言う事を受け入れてくれる風土をもつ組織じゃないと難しいですが・・。ちなみに私自身、あまり失敗したことがありません。これは自慢でも何でもなくて理由があります。難易度が高ければ高い程、失敗したときのリカバリープランも考えた上で用意周到に計画するからです。そういうオプションプランも会社のリソースを使えるので用意しやすいのではないでしょうか?
常に市場価値を意識する〜他社、別業界の人をライバルにする(160ページ)
非IT業界でITの仕事をする、というのは、ある意味常に緊張感を覚えながらやってきた様な気がします。若い頃は特にそうでした。自分のスキルは果たしてIT業界の人から見たらどう評価されるのか?という事を常に意識しながら仕事をしていました。ですから、ひたすら勉強しましたし、それを実戦で使ってノウハウを積み上げてきました。結果はどうなのか・・? 今ひとつ自分自身を客観的に評価出来ないのですが、少なくともエンジニアとして、今はサーバーだけでなく、自らを仮想化して東京から札幌にクラウド移住する所まで来ました(ここ笑う所です)。ただし、これらは技術を追い求めるだけではだめで、「以前はこうだったから」という所をぶち壊す所から始めないと物事が動きません。そこに説得力を持たせる戦略としては、ある程度社外からの「評価」を頂いて、それを会社に突きつけると言う手段があります。出る杭は打たれるのは宿命です。ですが、出過ぎた杭は、もはや打つ事すら出来ない、というのがこの世の常でありますww
表現力〜言えば良いというものではない(182ページ)
エンジニア同士の会話であれば、仕様書でやり取りするよりも、コードで会話した方が早いですよね(?)。ただ、それは世間一般には通じません。業界用語、専門用語はもってのほかで、文字すらダメです(笑)この辺は非IT業界にいるおかげで、ITの専門的なことを社内に説明する際にどうやってそこを伝えるべきか、かなり訓練された様な気がします。伝えるべき相手によって、絵を描いたり、例え話をしたり、キャッチフレーズを作ったり・・みなさんも、おじいちゃんおばあちゃんにインターネットの事を説明してみると、かなり訓練されると思いますw
この本全体を通して訴えている事、会社員であるならば、企業と言うプラットフォームをどんどん活用するべき、というのは、個人的にもとても同意出来ますし、今後はそうあるべきだと思います。働き方を考える上で、一つヒントを与えてくれる良い本だと思います。