今日はなんだか不思議な事にあったので、メモ。
相方と、もうすぐ4歳になる息子と三人でバスに乗っていた。
途中のバス停で、手を挙げて小走りに走ってくるおじいさんがいた。
ちょっと息を弾ませながら、自分と息子が座る席の前に、どっかりと座ってこっちを振り返った。息子の顔を見ながら、こう言った。
爺:「ほぉ、賢そうな顔してるの。」
俺:「はい。よく言われます。」(と心の声(笑))
俺:「はい。よく言われます。」(と心の声(笑))
しばらくすると、突然、自分の事を大きな声で語りだした。まぁ、子連れだったらよくある事。でも、こういうおじいさんの身勝手な話は、大抵の場合面白いので、素直に聞き役に回るのが吉。でも、今日はちょっと様子が違った。
爺:「僕はねぇ、今年95なのよ。息子が二人。35歳。60の時の子どもよ。」
俺:「きゅ、きゅうじゅうごですか!?」(どうみても60位にしか見えませんが。)
爺:「体罰はいかんよ、絶対に。体罰は。あんた、やってる?」
俺:「いえ、やってませんけど・・」(突然何!?(笑))
爺:「うちの息子が小さかった頃ねぇ、悪さをしたからお尻をパンパン叩いたのよ。それがねぇ、この95になってもね、35の息子に未だに言われる。尾を引いてるんだねぇ。だからね、子どもに手を上げる事だけは、絶対にやっちゃいかんよ。」
俺:「はい・・」
俺:「きゅ、きゅうじゅうごですか!?」(どうみても60位にしか見えませんが。)
爺:「体罰はいかんよ、絶対に。体罰は。あんた、やってる?」
俺:「いえ、やってませんけど・・」(突然何!?(笑))
爺:「うちの息子が小さかった頃ねぇ、悪さをしたからお尻をパンパン叩いたのよ。それがねぇ、この95になってもね、35の息子に未だに言われる。尾を引いてるんだねぇ。だからね、子どもに手を上げる事だけは、絶対にやっちゃいかんよ。」
俺:「はい・・」
爺:「僕はねぇ、若い頃中国にいてねぇ、その後韓国に14年、上海にもいたなぁ。韓国では漁師をやっていた。その後は日本に帰ってきて、ヤンキー相手に商売さ。」
爺:「今からこの辞書を図書館に寄付してくるんだ。オックスフォードの英英辞典と・・」
おじいさんのもつビニールの袋には、広辞苑クラスの分厚い辞書が3冊ほど入っていた。すげぇ。時折出てくる「英語」は、どう聞いても「英語」的発音だ。絶対ペラペラだ。このじいちゃん。この辺から、ちょっと背筋が伸びる、俺(笑)。爺:「今からこの辞書を図書館に寄付してくるんだ。オックスフォードの英英辞典と・・」
爺:「これからはなんと言っても英語ね、英語。世界に出て行くためには、英語がしゃべれないと話にならん。」
俺:「はい。そう思います。」(汗)
爺:「お絵描き、とかいうでしょ?なんだろうね、あれ。」
俺:「!?」
爺:「なんでも"お"をつけりゃいいと思ってる。"絵を描く"で良いんだよ。」
そこから、世界で一番紳士的な国は、「英国」だ、と力説・・。でも、この話は「あー、そうですか。」と受け流す事はできなかった。俺:「はい。そう思います。」(汗)
爺:「お絵描き、とかいうでしょ?なんだろうね、あれ。」
俺:「!?」
爺:「なんでも"お"をつけりゃいいと思ってる。"絵を描く"で良いんだよ。」
要するに、「子ども扱い」ってのは、子どもに大して失礼だと。もちろん力の無さや経験不足など、子どもに対して大人がカバーしてあげるのは当然として、日々の暮らしの接し方で「お子様」扱いするのはおかしいと。もっと、人間として尊厳を持って接してあげないと、あとで子ども自身が苦労する・・。そもそも、「お子様」なんていう日本語、おかしいよね。まぁ、裏を返せば、今の大人が「大人」になりきれていないという意味にも取れるんだけど。
爺:「今の日本はねぇ、ほんとに駄目だよ。」
俺:「・・・」
爺:「でもね、この子の時代になったら、きっと日本は良くなる。」
俺:「!?」
爺:「あんたの時代は駄目だろうけど、この子の時代にはきっと良くなる。」
おじいさんはそう言い残すと、そそくさとバスを降りてしまった。話した時間、5分位かな。俺:「・・・」
爺:「でもね、この子の時代になったら、きっと日本は良くなる。」
俺:「!?」
爺:「あんたの時代は駄目だろうけど、この子の時代にはきっと良くなる。」
95歳、計算してみたらなんと1915年、大正4年生まれ。第一次世界大戦のまっただ中。関東大震災はまだ。終戦の時はすでに30歳・・。という事は、子どもの頃から青年期まで、ずっと戦争臭漂う世界の中で生きてこられた方。本家本元のロスジェネ世代。そんな人が、2010年に、重たい辞書3冊抱えてバスを追っかけて走ってるなんて・・・。「子どもを抱きかかえて腰が痛い」とか言ってる場合じゃないな、まったく。
今、本当に先行き不安な事ばかり言われるし、実際そうなんだけれども、ちょっと我々には想像も及ばないタフな人生を送ってきた大先輩からすると、
「あんたの時代は駄目だろうけど、この子の時代にはきっと良くなる。」という風景が見えるのかなぁ。
「あんたがもっとしっかりせにゃ、この子らのためにも。」
と背中をたたかれたような気がした。なんていうか、もっと説教してもらいたかった。
こういう事をズバズバ言う爺さん、少なくとも自分の周りはいない。
こういう人知れず町中にいる爺さん婆さんの話を映像にして、渋谷の映画館で単館上映でもすればヒットするよ、間違いなく(笑)。若い世代こそ、こういう話に飢えてんじゃないのかなぁ、と思ったりもして。
あ、ブログのタイトル変えました。すんません。
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